こどものころのゆめ。

ドラクエの話。


小学校の頃、
ドラクエは、まさにボクたち男の子の間で大ブームで、
毎日のようにドラクエの話しをしてました。

鉛筆とか筆箱とか、
それこそドラクエのキャラクターの入ってた文房具なんかも、
持ってたような気がします。

そんな中、テレビゲームと同時に、
ゲームブック」というものが流行ったことがありました。



これは、小説の中に、

「たたかうなら○○ページへ、逃げるなら○○ページへ」

みたいな指示が書いてあって、
その指示どおりにページに飛んで読み進めると、
その、じぶんの選択したストーリーで物語が展開していく、というようなもの。。


上手くいけばストーリーが進むし、ダメな選択肢を選んでしまえば、
○○ページに戻ってやり直しなさい、みたいなことが書いてある。





ドラクエゲームブックも大好きだった僕は、
同じくゲームが大好きだった友達の一人、クラスで一番絵が上手なサナダ君を誘って、
一緒にオリジナルのゲームブックを作ることにしました。


「ボクが物語を考えるから、サナダ君はアイテムとかキャラクターを考えてよ」
・・・そんな感じ。二人の中ではもう、ほりいゆうじととりやまあきらの気分です。。

二人で一冊ノートを用意して、
「まずタイトルはどうしようか」なんて話しながら。。。



当時、たしかドラクエは3までしか出てなかった頃だったと思うんだけど、

そのノートの表紙にデカデカと、二人のゲームクリエイターは「ドラゴンクエスト4 ゲームブック」と書きました。


小学生ながらに、二人でシナリオライターとキャラクターデザインに分かれて作業をしはじめたわけです。



・・・


結局、


十数ページくらい書いたところで、
ストーリーの続きを考えることよりも、
(そもそもゲームブックって結構複雑に作られてるから、小学生の能力ではなかなか骨の折れることだったりもして)


二人でキャラクターやアイテムを考えるのばっかりが楽しくなっちゃって、
それ以降、ストーリーは未完成のままだったんだけど、


まぁ、それも含めて子どもらしいといえば子どもらしいわけで。。


そんな感じで二人で盛り上がってた同時期にたずねられた、
「キミの将来の夢はなんですか」という問いに、
ボクは迷わず、「サナダくんと、ゲームが作りたいです」と書いたのを今でも覚えています。


子どものころの夢って、純粋で、でもどこか侮れなくて。。
今考えると、笑っちゃうくらい子どもっぽいんだけど、僕の中では結構大きかったりして。



少年ジャンプのライターさんからゲームのシナリオライターになった堀井さんや、
コピーライターをやりながらも、伝説のRPGを作っちゃった糸井さんや、



なんかそういう大人たちに今でも憧れとか尊敬の気持ちがあるのは、
子どもの頃のこんな体験からなんだろうなぁと、改めて思うのです。


・・・




ゲーム少年だった二人は、その後、
小・中・高と同じ学校に進みましたが、大学からはそれぞれ違う道に進み、

絵の上手だったキャラクターデザイン担当のサナダ君は、
小学校の美術の先生になり、

シナリオ担当だったボクは、
コピーライターを目指して広告代理店に入りました。








その後紆余曲折あって、


あの頃のゲーム少年は、
転職して、今、「商人」をやっています。