欲深い人

ちょっと前に、友達とお茶しながら、
何の気なくポロッと自ら発してしまった、

「いやさ、最近ホント、ゼロからイチを生み出すみたいな作業と無縁でさ。」
という発言について、モヤモヤ考えている。

その言葉がすんなり出てきちゃって、
それでいいんだろうか、みたいな、モヤモヤ。

いや、別にいいんだろうな、きっと。

でもね、なんか物足りないよな、オトコとして。。
そんなモヤモヤのこと。

もちろん、携わっている仕事や環境にもよるだろうし、
そもそも「オレ、クリエイティブな仕事してまっせ」みたいなのも違うし、

ほとんどの人間が、ゼロからイチを生み出している実感なんか少ないはずなんだけど、
仕事云々だけでなく、プリミティブな意味での創造欲求っていうか、
そういうのって大事だよな、っていう話しではあるのだけれど。

なんだろう、なんでだろう、、
やっぱり何か生み出して発信して行きたいんだろうな。。


もしかしたら、
「子育て」がオモシロすぎて、
そこに日々一喜一憂してて、刺激を受けていて、
自分の根源にある創造する欲求みたいなものが、
そこである程度満たされている、というようなことなのかな。


子どもをどんなヤツに仕立てたいか、みたいなことを薄っすらと考えつつ、
でも子どもの性格や生まれたての自我とせめぎあいながら、そんななかで垣間見せる、
「あぁ、コイツ、オレに似てる」なんていう、遺伝という当たり前のメカニズムを実感したりして、
それが何とも言えず楽しかったりして。
やっぱ子育てしてる、ってのは大きいかもしれないな。

ゼロからイチを生み出す余地がないほど、
毎日が新しい発見の積み重ねだったりはする。


あともう一つは、経営、かな。
会社という「法人」を育ててる感覚も、それはそれで何かを満たしてるのかも。
自分の色を出すっていうか、ゼロだったところに新風を吹き込んで、
なんとかイチを生み出そうとはしてるかな。


どうやったら従業員がハッピーになりつつ、
お客さんもハッピーになって、地域に貢献できてるのか、とか、
そんなことを考えることも、いわばクリエイティブな作業なのかもしれないな。

すくなくとも、「この資料を明日までに誰かまとめておけ」というようなイメージの、
「オレじゃなくても誰でもできる作業」には、時間を費やしてない自負はある。
そういうのがしたくなくて自営の道を選んでいるのだから当たり前なのだけど。

いずれにしても、
これはとても内向きでドメスティックなことであって、
広く世の中にゼロからイチを生み出すことではないのだけれど。


一方で、
仲間内の大喜利大会だったら絶対負けたくない、みたいな、
どうでもいい気概はいつまででも持っていたいし、

友人たちが苦労して仕込んだ結婚式の二次会とかをお客さんとして見ながら、
すごい忙しいはずなのにみんな徹夜してワイワイ作ったんだろうな、いいな、みたいな、

漠然と、作りたい発表したい願望はあるから、
形はどうあれ、そのマインドは全く消えているわけではないのだけれど。


結局、、
なんでモヤモヤしちゃうかっていうと、それは「欲張り」だからなんだろうな。

自分の生活、ライフサイクルが安定していれば安定しているほど、
「これでいいのか」と別のものを欲しちゃう。欲張る。

必要以上に自分に負荷をかけたり、リスキーなところに飛び込みたくなったり。

いくつになっても貪欲に何かにチャレンジし続けたい、みたいな感覚は、
ポジティブで美しいけど、

別の言い方をすれば、
「まだ自分は何かやれる才能があるんじゃないか」って愚直に信じてる、
過剰なプライドと自意識の問題なのかもしれなくて。

欲深いんだよねぇ。全く。